「営業活動報告書」とは、不動産の売却を進めるなか、媒介契約を結んだ不動産会社から定期的に受け取る書類のことです。その名の通り、契約した不動産会社がどのような営業活動を実施したのかが記されています。

 

営業活動報告書は、なんのためにある？

 

「不動産会社と契約を結んだけれど、どのような販売活動をしてくれているのだろう？」と疑問を抱く売主様が昔は少なくありませんでした。こうした状態を改めるとともに、売却を依頼した不動産会社が実際になにをしているのかを明らかにするため、不動産会社に課せられたのが営業活動報告書です。

 

売主様に営業活動報告書を提出するのは不動産会社の義務で、専属専任媒介契約の場合は1週間に1回以上、専任媒介契約の場合は2週間に1回以上と報告の頻度も決められています。とはいえ、営業活動報告書に決まったフォーマットはなく、不動産会社によってバラバラの状態です。また、罰則は特になく、仮に報告を怠ったとしても不動産会社に厳しい処分は課せられません。

 

フォーマットが決まっていないので、営業活動報告書の書き方も各社様々です。記載される項目としては、他の不動産会社からの問い合わせ件数やお客様を物件に案内した件数、レインズや不動産のポータルサイトに掲載した日付など。売主様が不動産会社の活動内容がわかれば“良し”とされているわけです。

 

不動産会社の報告は確かなのか

 

不動産会社は専任媒介契約を結んでもらったわけですから、売主様に対してきちんと営業活動報告書を提出するのが基本です。多ければいいわけではありませんが、少ないのは考えもの。たとえば、専任媒介契約の場合、2週間に1回以上の報告が義務ですが、できれば週に１回は報告してもらえると売主様は安心できるでしょう。

 

私たちは、営業活動報告書を売主様とのコミュニケーションツールとして捉えています。好材料があるなら進んで報告できるものですが、いい知らせばかりとは限りません。むしろ、報告する材料が見当たらないことのほうが多いもの。そんな報告しづらいときでも、売主様に状況をきちんとお伝えすることは不動産会社の責務です。進捗状況を逐一報告するようにしています。

 

また、私たちからの報告を見た売主様から質問を頂戴することも。もちろん、真摯に対応するのは不動産会社として当然ですから、売主様の疑問に対してきちんとお答えしています。「設定価格が相場より少し高いようです」「値下げを検討するタイミングかもしれません」といったコメントやアドバイスも必要に応じて添付します。営業活動報告書は、最良の取引に向けた有効な判断材料になるものであるべきだからです。

 

不動産会社に対する検討材料として

 

営業活動報告書は、不動産会社にとって義務であり、販売活動に必要不可欠なものです。そのため、営業活動報告書を出してこない不動産会社は論外ですし、たまにしか出してこないような不動産会社は再検討することをお勧めします。

 

また、物件に対する問い合わせが極端に少ないようなケースも要検討です。相場より高めの売却予定価格を提示されたのが専任媒介契約を結ぶ決め手となりませんでしたか？だとしたら、その価格は、売主様との契約を獲得するために無理な高値を不動産会社で惹きつけた可能性が大きいからです。

 

専属専任媒介契約も専任媒介契約も契約期間は3カ月が基本ですから、仕事ぶりを見て売主様が疑問を感じるなら見直しは自由です。実際、私たちのところには他社での販売価格や販売方法に疑問を抱いた売主様から相談を受けることが少なくありません。

 

弊社ではセカンドオピニオンの査定を無料で承っています。現状に疑問や不満を感じている売主様、ぜひ一度ご相談ください。